転職に向いている人、向いていない人


転職には向き不向きがあります。他の業界に比べて転職する人が多いIT業界ですが、転職するのが当たり前という訳ではありません。職種によっても向き不向きがありますし、転職するタイミングをうまく図らないと転職して損をする場合もあります。

自分は今、転職するべきなのか転職するべきではないのかよく考えてみましょう。




勢いで転職しない


まず、どの転職者にも言っておきたいのが「勢いで転職してはいけない」ということです。転職をする場合、事前にじっくりと考えてからにしましょう。

転職の理由にはさまざまな物があります。スキルアップする為、引っ越したので近くの会社に行きたい、子供が出来たので時間に余裕を持てる会社に行きたい、他の人が転職して給料アップしたと聞いたから、給料が安いから、休みがない、ブラック企業から脱却したい、上司のワキガが臭い、等々、転職者の数だけ転職の理由があると言っても過言ではありません。

ですが、上記のような理由で転職を考える前に、まず

「現状で問題解決の為に何か行動したのか」

という事を考えてみてください。

もしかしたら転職をしなくてもその問題は解決出来るのではないのですか?これはかなり重要です。転職先企業が最も気にする点でもあります。

よく面接で聞かれる質問に「なぜ今の会社を辞めようと思ったのですか?」という物があります。それがまさにこれです。ポジティブな転職であれ、ネガティブな転職であれ、会社を辞めるという決断をするに至った思考を転職先の企業は気にします。

それは自分の会社に入って貰った場合、この人は長く続けてくれるのか?というのを面接で見極めなければならないからです。ですので安易な理由で転職してくる人や、問題解決するために行動もしないで転職という決断を下した人を企業は信用していません。転職後に同じような問題が起きた時にこの人はすぐに辞めてしまう、と思われてしまった時点で不採用です。

求人情報を出すのだってタダではありません。企業は簡単に会社を辞める様な人は、例えスキルがあっても雇うのに躊躇します。

ですので、もし転職を考えているのであれば、転職を考えるに至った原因を自分の中ではっきりさせ、その問題を解決する為の行動をしてください。

転職に向く職種、向かない職種


IT業界には様々な職種がありますが、転職に向いている職種と向いていない職種があります。最初に言ってしまうと以下の様な感じです。

  • 比較的転職に向く職種
    Web系全般,SE,PG,ネットワークエンジニア,サーバエンジニア
  • 比較的転職に向かない職種
    PM,PL,運用,保守,組込PG,CE,社内SE
比較的転職に向いている職種は技術職が多いです。技術がわかればどの職場でもすんなりと仕事が出来ますので、転職してもすぐに活躍することができます。

対して、比較的転職に向かない職種はいくつかパターンがあります。まず組込PGとCEですが、この2つは転職先の選択肢が他の職種ほど多くないというのが理由です。

次に運用・保守と社内SEです。こちらは求人数もありますし、どんどん転職しても良いとは思うのですが、長く続けることによって社内でのキャリアアップが可能なので、長く続けるのが前提の職種になっています。ですので下手に転職を繰り返してしまうと前職よりも収入も下がりますし、選考時に長期働いてない職歴をみて落とされる事もしばしあります。

PMとPLですが、これはケースバイケースではあるのですが、転職をするよりも同じ会社で実績を積み上げていった方がキャリアアップ出来るからです。それでもPMとPLで転職を考えるのであれば、求人情報を探すよりも転職エージェントに登録してスカウトを待つ方が良いでしょう。完全な売り手市場ですので、同じ会社で実績を積みながら条件の良い会社さんからオファーがくるのを待つのが得策です。

転職する時期を見極める


IT業界、特にSIerは繁忙期と閑散期があります。ユーザ企業の予算次第で案件が決まってくるからです。ですので、案件が重なる時期には一気に求人が増えますし、案件が無い時期は求人市場も穏やかです。

一般の会社さんで一番多い決算の時期は3月になります。ですので新規案件は4月から始まるものが多いです。ただ、これはユーザ企業さんのスケジュールですので、IT業界の転職市場に反映されるのはもう少し後になります。5,6月に受注して、7月に案件スタートというパターンが多いので、受注確度の高い案件だと上流工程絡みの求人が5月辺りから活発化してきます。SE,PG,サーバエンジニア、ネットワークエンジニアの募集はもう少し後で6月辺りから活発化して7月に一気に増えます。

同じように、半期後の9月からも同様の現象が見られます。ただ、下半期の場合はもうちょっと展開が早くて、11月〜12月にかけての募集が多いです。そして2月辺りから始まる募集もあります。この時期の求人にはあまり関わった事がないのですが、プロジェクトの補充人員で、しかも年度内終了の為の補充人員ということで炎上している可能性が高いんじゃないかなー?なんて勝手に想像しています。

求人側のスケジュールはこんな感じですが、一方の転職する人のスケジュールを考えてみましょう。大体、昇給が4月末、ボーナスが7月・12月、異動・転勤が3月というパターンが多いと思います。このうち金銭的メリットが大きいのはボーナスを貰ってやめるというパターンではないでしょうか。

ボーナスは夏と冬の2回ありますが、求人側のスケジュールと重ねて考えると、7月にボーナスを貰ってから転職というのが一番ベストなパターンだと思います。そうなると7月に入ってから転職先を探すことになるのですが、当然同じことを考えている人も多いので、面接スケジュールは混み合う事が予想されます。なるべく早く転職候補の会社を絞り込んで活動するようにしましょう。