私は20年弱IT業界で働いてきました。実に20社以上を渡り歩いて来たのですが、面接には必勝法があります。それを伝授しましょう。
会社がどんな人材を望んでいるのかを把握する
面接に挑む時、自分の技術をどうアピールするかと考えてませんか?間違っているとは言いませんが、ただ単に自分自身をアピールするのでは不十分です。どんなに勉強して自分の売りになる素晴らしいスキルを持っていたとしても、会社がそのスキルを必要としてないのであれば、そこをアピールしても全くの無意味だということです。極端な例を言いますと、会社側がWindowsの技術者を求めているのに、Linuxのスキルを延々とアピールしても無駄だということです。
ですので、最初に求人情報からその会社がどの様な人材を求めているのかを徹底的に調べてください。表面的ではなく徹底的にです。以前、別の記事でも説明しましたが(関連記事:求人情報から読み解くIT企業情報)、求人情報からその会社がどういう現場でどういう技術者に何をして欲しいのかというのを、公開されている各種の情報から分析してください。
求人に合わせてアピールすべきポイントを変更する
その際、面接で上手に立ち回る為に書き換えるコツがあります。必ずちょっとした疑問点が残るように書くのです。全てを事細かに記述する必要はありませんし、それは愚策です。職務経歴書やスキルシートで自分のスキルを全て説明してしまったら、面接で話す事がなくなります。
「相手がこれを読んだら、この部分はどうしたか知りたくなる」と思わせる書き方をします。要するにツッコミのポイントを職務経歴書やスキルシート上に最初から用意しておくのです。できれば複数のポイントを用意しておいた方がいいですが、長時間面接する事はありませんので、要所に2,3箇所用意しておけば充分です。
職務経歴書とスキルシートが出来上がったら、その会社の面接官になりきってそのスキルシートを読んで下さい。そしてどの部分を突っ込みたくなるのかをチェックしておきましょう。
突っ込まれるポイントに合わせた完璧な回答を用意する
面接で聞かれるポイントが判っていれば、あとはその答えを事前に用意しておくだけです。面接までに脳内で返答するパターンを復唱して叩き込んでおきましょう。ただ、返答する際は長々と細かく話すのはやめて簡潔に答えられる様にします。そして簡潔に答えた内容に生まれる疑問点に対する答えも考えておきましょう。
つまり、面接で「質問をしてもらう」のではなく「更に質問をさせる様に誘導する」という事を意識しながら受け答えできるパターンを脳内でシミュレーションします。こちらから発する情報から出る疑問点というのを最初から頭の中で考えて、その答えまで用意しておくのです。
それでも予想外の質問はあります
いくら完璧に脳内シミュレーションして完璧な受け答えを用意していたとしても、予想外の質問は来ます。「なんでそんな質問するの?」と思う質問から「そっちのスキルにも食いつくの?」という質問まで様々です。その時はあまり話を膨らませない無難な定型的な答えも用意しておいてください。職務経歴書で言えば、一つの職歴に対して何をやったかの簡潔な答えを用意しておいてください。そしてその答えに対して突っ込まれても「それはできます」とか「それはやりませんでした」とかシンプルな受け答えをするようにしてください。
私が経験したいままでの面接で予想外の質問だったのが「普通免許は持っていないんですか?」というものでした。なんでIT企業で車の免許の質問するのか甚だ疑問でした。実は飲酒で免許取り消しになっていて欠格期間なので持っていないというツッコミどころ満載の話があるのですが、ネガティブな情報ですし、面接でそこを膨らましても全く意味は無いので「持っていません」という回答で終わらせました。
そういう質問は、その人の会話力を試す為だけにしている質問ですので、そこを膨らましてうまく受け答えしてもあまり意味がありません。膨らませるのは用意した受け答えに繋げられる可能性があるものだけにしましょう。
自己PRは想像できる事じゃないと駄目
自己PRはその会社に入社したら自分がどういうことをやりたいのか等、素直に自分の願望を言ってみましょう。そして、その願望を叶えるためにどんな努力が出来るのかというのをアピールポイントとして語ってください。「それって自己PR?」と思うかもしれませんが、立派なPRです。自分が入社したら何ができるのか、どんな事をしたいのかというのをPRしています。
つまり、面接をしている人に、この人が入社したらどうなるか?というのを想像させるような事を言ってください。相手が想像できない事をPRしても伝わりません。「入社したらどうなるか」という想像しやすい部分で自分はどんな事が出来るのかというのをPRするのはとても大事です。
何か質問はありますか?と聞かれたら
職務経歴書やスキルシートでその人のスキルは判りますが、人間関係をうまく構築出来る人なのかというのは文書からは伝わりません。他人とのコミュニケーションを望んでいる様な質問をする事で、人間関係にも問題が無いというのを伝えるのは良いと思います。