他の業界からIT業界への転職を考える時、資格が必要なのか悩みますよね。「技術職だから何か特別な資格が必要なんじゃ・・・」なんて考えている人も多いと思います。
そんな疑問に業界歴20年の私がお答えしましょう。
IT業界に転職するのに資格はいらない
何も資格を持たずに20年以上ITの仕事に携わってる私が言うのですから間違いありません。何も資格を取らなくても簡単に転職できます。未経験から簡単にIT業界に転職できる方法を説明している記事を書いてますので、そちらも御覧ください。
そもそもなぜ未経験者には資格が必要だと考えるのか
ITの資格は様々な物があります。公的な資格からベンダー資格まで数え切れないほどあります。それらの資格は資格取得者の技術力を担保する物ではありますが、転職とは密接に関わっていません。もちろん無いよりはあった方が良いのは確かです。ですが、決定的な物では無いのです。なぜか判りますか?
面接を担当する人はIT業界にいる人間です。未経験者が取れる資格がどの程度の物なのかは判っています。それは「未経験者が取れるレベル」の資格だということです。そういう資格を持っていてもIT業界で働いている人間からしてみれば「へー、そうなんだ」ぐらいの感想しか出てきません。そういうレベルの資格を取った所で「この人の技術レベルは素晴らしい」という風にはならないということです。
もちろん「未経験者が簡単に取れないレベル」の資格もたくさんあります。応用情報技術者試験や高度情報処理技術者試験なんかは、未経験者どころか現役エンジニアでも簡単には取れません。そういう資格を持って面接に臨むのであれば話は別です。転職時に絶大な効果があります。ですが基本情報技術者試験以下の資格は学生でも取れるレベルなので、転職時にそこまで考慮はされないでしょう。
ベンダー資格も同様です。公的な資格の場合、年2回しか試験の機会がありませんが、ベンダー資格の場合はいつでも取れます。落ちても何回でもすぐに再試験を受けることができますので、お金さえあれば誰でも取れると言っても過言ではありません(もちろん勉強は必要です)。ですので、余程の資格でない限りは面接時に重視されません。
そして何よりも重要な所ですが、どんな高度な資格を持っている人でも仕事が出来るとは限らないという事を身を持って知っています。残念な話ですがこれは事実です。仕事が出来る人は資格を持っていなくても出来るのです。資格を持っていても仕事ができない人はできないのです。ITの現場ではそういう認識を大半の人が持っています。
ではなぜ資格なんて物が存在しているのか
これが重要なポイントです。資格取得者個人の仕事力と資格はリンクしませんが、対外的に見た場合は違うという事です。
IT業界の仕事は一般の企業を相手にシステムを作る所がほとんどです。その一般の企業が自社のシステムを開発する企業を比べる時の技術力を測るのに資格が影響してきたりします。高度な資格を持つ社員を抱えている企業は仕事の受注確度が上がるのです。企業総体として見た場合、高度な資格保持者が多ければ多いほど技術力のある企業と見られます。
ですので、社内的には資格手当を設けて社員が資格を取得することを推奨しています。高度な資格であればあるほど資格手当も厚遇されています。
大手IT企業のSEから名刺を貰える機会があれば、よく名刺を見て下さい。ほとんどのSEはベンダー資格のロゴや持っている公的資格が名刺に堂々と書かれています。対外的に資格保持者であることをアピールしている訳です。
もちろん、ここで言う資格は未経験者が取れる様な資格ではありません。応用情報とか高度情報とかOracleMasterのゴールドとかプラチナとかRHCEとかRHCAとかCCNPとかCCIEとかです。そういうレベルの資格があると一般企業相手には絶大なアピール度があるのは確かです。むしろ一般企業がIT企業の技術力を測るにはそれしか目安がありません。
IT業界への転職で重視されるのは「勤勉さ」
重要な事なので覚えておいて下さい。未経験者を募集しているIT企業は最初から即戦力を期待していません。
現実的な事を言いますが、即戦力の技術者は給料が高いです。ですが未経験者は安いです。ですので、未経験者を募集しているIT企業は最初から雇用した未経験者を育成する事を念頭に採用しています。
ですので、中途半端な資格を取ってくる未経験者よりも、無資格だけど勤勉な未経験者の方が採用されやすいと言えます。理由はITの技術は勉強すれば身につくからです。簡単か難しいかの個人差こそあれ、誰でも身につける事ができます。ですので勉強する姿勢の方が重視されます。勉強する姿勢さえあれば、すぐに成長出来ることもIT企業は知っているからです。
まとめ
未経験からIT企業への転職をするのであれば、独学で何か技術を身に付けて、何かを作って企業にアピールして下さい。これは技術力をアピールするというよりは「私はこんな物を作れるぐらい勉強しましたよ」という勉強をしたという事のアピールになります。自発的に勉強できる人間はすぐに技術を身につけて企業の戦力になります。
そういう人材をIT企業は求めている事を忘れないで下さい。