フリーランスとして仕事をしていると、外出する機会が減ってきますよね。私の場合、最近ではお客様との打ち合わせもSkypeやチャットで済ましてしまったりするので、仕事関連で外出するのは月に1度あるかないかです。それも飲み会が多かったりするので、厳密に言えば年に数回ぐらいかもしれません。そうなると部屋の中でパソコンと向き合ってるだけなので、首都圏にいる必要は無かったりしません?というか、日本にいる必要って本当にあるのでしょうか?
私も海外で暮らしていく事を考え始めたのですが、いまいち踏ん切りがつきません。ですので、フリーランスが日本を脱出して海外で生きる道を探ってみたいと思います。多分、シリーズ物の記事になると思います。今回が1回目です。まずは海外移住に関するネガティブな部分から。
日本にいなければならない理由
顧客対応(契約関連)
基本的に打ち合わせはSkypeかチャットが多いです。が、初めてのお客様の場合は顔合わせの必要がある事も多いです。主に契約絡みの場合は顔合わせの必要がある感じでしょうか。私の場合、基本契約書を交わす時は顔合わせが必要で、個別契約書(発注書)の場合はSkypeでざっくり話した後でFaxか郵送が多い感じですね。
正直言ってしまうと、この旧来からの日本的な契約関連のやり取りってとても面倒です。ネットで完結できればありがたいのですが、クラウドソーシングを経由すると手数料が馬鹿高いのでまず利用しません。
海外でフリーランスで働くという事を考えると、はっきり言って上記のやり取りがある以上、現実的ではありません。クラウドソーシングを利用した安価な仕事をこなすしか道がないと思えます。海外でフリーランスで働いてる人に比較的案件単価が安価なWeb系エンジニアが多いのはこれが理由だと思います。プログラマみたいな仕事と海外でフリーランスで働くというのは相性が最悪と言っていいと思います。安価な仕事であればそうでもないんでしょうけどね・・・。
ビザ
フリーランス(個人事業主)に対してビザを発行してくれる国が余りありません。よくネット上で見かける海外で働いているエンジニア(タイが多い)ですが、恐らくビザ関連の事は無視しているでしょう。ネットで契約して仕事をしているので、滞在している国の労働ビザが必要なのかは甚だ疑問ではあるのですが、おそらくその国の労働許可証は必要なはずです。
滞在している国にまずバレる事はないので、そんなの気にしないでいいじゃん、という安易な考えに走ってしまいがちですが、このビザ絡みでとても重要な問題が発生します。どの国に納税するか、ということです。日本で納税しないで海外の安い税率の国で納税したいのに、その国で労働許可証を取れないのであれば話になりません。海外で働いて日本に納税するという方法もあるとは思いますが、それだと正直言って海外で働く意味は無いです(海外だと生活費が安い、というメリットはある)。
海外でフリーランスとして働くのに、このビザの問題が一番やっかいだと思います。
ネット環境
なんだかんだ言って、日本のネット環境はかなり整備されていると思います。ADSLどころか光回線が普通ですし、携帯の電波もどこでも届きます。では、海外のネット環境は整っていないのかと言うと、最近は結構整備されてきているようです。が、日本のネット料金と比較すると高いです。携帯の料金は日本より安かったりするのですが、固定回線の料金で日本より安いところはあまりないみたいです。ただ、海外は公衆無線LANが日本より整備されてるところが多いみたいです。動画をやり取りするというのならともかく、普通の開発であれば、固定回線を使う必要は無いのかもしれません。普段は携帯でテザリングして、大きいファイルは公衆無線LANを利用することで問題はなさそうです。ただ、そうなると開発環境を持ち運ぶ必要があるので、デスクトップは使えないですね。最近のノートPCはスペックも高いのであまり問題は無いと思いますが、ノートPCメインでの生活はちょっと厳しそうかも。
日本語
日本にいる限り、全て日本語で生活できます。当たり前ですよね。ですが、海外ではまず日本語は通じません。生活する上で最低限の英語は喋れる必要があるでしょう。多分、日常会話レベルであれば、ボディランゲージで乗り切れそうな気がしているのですが、海外に納税して生活することを考えると、日常会話以上の英語力が必要な気がします。まぁそういう定型作業は一度乗り切ってしまえばなんとかなるとは思いますが・・・。
治安
まぁ一日中、室内で開発しているのが前提なら、あまり治安の問題は気にしないでもいいかもしれません。滞在する国次第な部分もありますが、日本より治安の良い国なんて早々あるとは思えませんし、そんな日本にいたところで、凶悪な犯罪は起こってる訳ですし、あまり気にしても仕方ないと思ってます。ただ、生活する上で、日本人だと舐められるというのはあるみたいです。タクシーの料金がボッタクられるなんていうのはよく聞く話です。現地の人と日本人とで価格が違うお店があったりなんてのもあるみたいです。これも余り出歩かなければ関係無いとは思いますが、せっかく海外にいるのにずっと部屋に篭って仕事してるのもどうかと思いますし、ここら辺は実際に生活しながら学んでいくしかないんでしょうね。
食事
よく海外は生活費が安いという理由の中で食費が安いというのが挙げられますが、これはあくまでも現地人の普通の食事を食べたらというのが前提です。海外で日本食を食べれば日本と同等か日本以上の金額を支払う事になります。では日本食を食べないで現地人の食事と同等の物を食べれば良い、となるのですが、こればかりは食べてみるまではなんとも言えません。まだ見ぬ嫌いな食材が海外にはあるかもしれませんし、暑い国では辛いものが多いでしょうが、多分日本人の辛さのレベルとは段違いに辛い物が多そうですし、衛生面では日本と同等な環境を求めるのは無理があるでしょう。
では自炊するか?と考えた時、これまた現地の食材で料理する訳ですから、日本で行う料理とはまた勝手が違う事になると思います。
食の問題に関してははっきり言って住む場所に合わせて慣れるしか無いと思います。
住居費
これも食事と同じですが、あくまでも住居費が安いのは現地の人が生活しているレベルで住居費が安いと言うことです。逆に日本と同等以上の金額を出せば、日本での居住環境から比較して格段に上の生活ができると言うことでもあります。問題は、海外の場合、日本の様に狭いワンルームマンションの様な物は無いということです。つまり、安い住居を選ぶのなら現地の人の住んでいる環境になり、日本と同等の金額を払えば日本以上に素晴らしい環境になるけども、日本と同等の環境で日本より安い物件は無いという事です。
なので、実質的に二択です。日本と同じ住居費を払ってゴージャスな環境で暮らすか、日本より圧倒的に安い住居費で、現地の人が生活している物件を探すかです。
正直言って、ミニマムな一人暮らしで考えた時、日本のほうが住居費が安く上がると思います。地方都市であればワンルームで月額2万しませんしね。
まとめ
今回は「日本にいなければならない理由」と題して海外移住に関するネガティブな部分や、大きな問題点を挙げてみました。やはりフリーランスとして生活していく為の仕事面で大きな問題を抱えていると思います。次回はこの問題点に対する対応策を考えてみたいと思います。