日本とジョージア間との租税条約について

 


なにかとゴタゴタしている状況ですが、11/5現在で大統領選が泥沼に陥りつつあるので海外の情勢について地味に調べています。このまま大統領選がゴタゴタすると円高方向に振れるかな?と感じています。

円高なら海外移住に向けて加速するしかないっしょ、って事で久々にやる気が出つつあるんですが、そんな中、海外の情勢を調べている途中で気になるニュースを見つけました。

ジョージアとの新租税条約について実質合意に至りました

Double Tax Convention with Japan Agreed

10/22の財務省のニュースリリースなんですが、こんな状況の最中でも地味に国際関係は動いているんですね。日本とジョージア間の租税条約について新たなものにするみたいです。

まだ実質合意の段階なので、これから国会で承認されて発行する流れなんだと思います。おそらく発行するまでに1年ぐらいはかかるんじゃないかと思います。

でも実質合意の段階なので中身が全く判りません。ジョージアへの移住を考えている身としては気になります。

ジョージアと日本間の租税条約

以前の記事でジョージアの税金関係の事を調べましたが、この租税条約についても調べました。ジョージアと日本との間の租税条約は旧ソ連時代の条約がいまだに有効で、さすがに今の時代にどうなの?と調べた時は思ったのですが、やっぱりそうですよね。さすがに見直しますよね。どうも旧ソ連圏の国との租税条約については順次見直していってるみたいです。

で、どの部分を見直しているのかって所なんですが、まぁ今の時代なんで租税回避とかOECDとかBEPSとかそこら辺の事を含めた条約みたいです。ジョージア側のニュースリリースを見る限りだと、OECDモデルの2017年版がベースになっているみたいです。

この2国間の租税条約が新しい物に変わろうとも、ジョージアの領域内所得課税方式については変わりがないので、ジョージアの「居住者」であれば海外源泉所得については非課税なのは変わりないのですが、この「居住者」か「非居住者」かの線引が租税条約によって変わります。

とりあえずOECDモデルの2017年版が気になる所ですが、また英語の文章を見るのが面倒なのと、もっと実際的な所が気になるので、ジョージアより前に旧ソ連の租税条約から新しい物に改正して9/25に発効されたウズベキスタンとの新租税条約を日本語で見てみました。おそらく「居住者」と「非居住者」に関する部分は同じものになるんじゃないかと予想してます。

所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とウズベキスタン共和国との間の条約


居住者に関しては第四条で定義されています。以下抜粋です。


1この条約の適用上、「一方の締約国の居住者」とは、一方の締約国の法令の下において、住所、居所、本店又は主たる事務所の所在地、事業の管理の場所その他これらに類する基準によって当該一方の締約国において租税を課されるべきものとされる者をいい、当該一方の締約国及び当該一方の締約国の地方政府又は地方公共団体を含む。ただし、「一方の締約国の居住者」には、一方の締約国内に源泉のある所得についてのみ当該一方の締約国において租税を課されるべきものとされる者を含まない。

21の規定によって双方の締約国の居住者に該当する個人については、次のとおりその地位を決定する。

(a)当該個人は、その使用する恒久的住居が存在する締約国の居住者とみなす。その使用する恒久的住居を双方の締約国内に有する場合には、当該個人は、その人的及び経済的関係がより密接な締約国(重要な利害関係の中心がある締約国)の居住者とみなす。

(b)その重要な利害関係の中心がある締約国を決定することができない場合又はその使用する恒久的住居をいずれの締約国内にも有しない場合には、当該個人は、その有する常用の住居が存在する締約国の居住者とみなす。

(c)その常用の住居を双方の締約国内に有する場合又はこれをいずれの締約国内にも有しない場合には、当該個人は、当該個人が国民である締約国の居住者とみなす。

(d)当該個人が双方の締約国の国民である場合又はいずれの締約国の国民でもない場合には、両締約国の権限のある当局は、合意によって当該事案を解決する。

31の規定によって双方の締約国の居住者に該当する者で個人以外のものについては、両締約国の権限のある当局は、その者の本店又は主たる事務所の所在地、その者の事業の実質的な管理の場所、その者が設立された場所その他関連する全ての要因を考慮して、この条約の適用上その者が居住者とみなされる締約 国を合意によって決定するよう努める。そのような合意がない場合には、その者は、この条約に基づいて与えられる租税の軽減又は免除を受けることができない。


で、まぁパッと見た感じ、今と何も変わらないじゃん、と思いがちなんですが、気になる一文があります。第四条第一項の最後の部分ですね


ただし、「一方の締約国の居住者」には、一方の締約国内に源泉のある所得についてのみ当該一方の締約国において租税を課されるべきものとされる者を含まない。


読みながら「どっちだよ!」って突っ込みを入れたぐらい、もうなんか難解過ぎて訳わからないんですが、これってどういう意味?読み方によっては領域内所得課税方式についての但し書きみたいに見えるんですが・・・。


まぁ現状、まだジョージアと日本間の新租税条約はまだ発効されていない訳で、かってに他国の条約から類推している段階なのでまだなんとも言えませんが、もしかしたら近いうちに税金関係の事も状況が変化しそうですね。

今の所は非課税なんだと思いますが、もし日本の課税所得になる可能性があるのであれば、個人事業主として海外に出る意義が微妙になってしまうので、また別の方法を考えたほうがいいのかもしれません。ジョージアの居住者になった上で、日本とジョージア以外で税制に有利な国に法人を立てて、その法人からの給料を貰うとかね。

なんにしても、発効するまでにはジョージアに行けるようになっていて欲しいですね。今のままじゃ身動き取れないですし。