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新卒時の面接と転職時の面接は違う
とても重要ですので留意しておいて下さい。
- 新卒時の面接
その人がどういう人間でどういう性格で、これから働くにあたってどういう考えを持っているのか、うちの会社に入ってやっていけるのか、そういった人格の根幹部分を重視します。新卒の人に技術的な部分で期待はしていません。教育することによって技術は簡単に補完できるからです。ですので教育して物になるかどうかという所を企業は重点的に調べます。
新卒面接で資格や技術力をアピールする人がいますが、余程の事でもない限りそんな物はどうでも良いです。問題はその技術を習得するのにどの様な工夫や努力をしたのか、そちらの方が大事です。新卒面接ではそういう部分を見ます。
ですので、新卒時の面接は「成長性」「将来性」「積極性」をアピールするようにします。
- 転職時の面接
未経験者の募集でもない限り、基本的に転職者の募集は即戦力を求めています。言葉を選ばずに言うと面接で「値踏み」します。この人を雇うことで会社にどれだけの利益があってどの様なメリットがあるのかを見定めます。ですので、新卒時面接と違って今までの業務での経験や実績、どの様な技術を持っているのかに重点を置いて面接をすすめていきます。
転職時の面接では「経験」「実績」「技術力」「応用力」をアピールするようにした方が良いでしょう。中でも「経験」が一番重視されます。
面接の基本
- 事前に相手の会社をよく研究しておく
基本中の基本です。
相手の会社の事を出来る限り知っておきましょう。ここで一番重視しておくべきなのは「なぜ今回の求人募集を行ったのか」です。これは裏返すと「この会社がどの様な人材を求めているのか」という部分に直結しています。求めている人材が判っていれば面接は簡単です。簡単に言えば、その「会社が求めている人材像」に必要な自身の能力をアピールすればいいのです。
面接の対策を考えるのに相手の会社の事を知っておくのは必須です。しっかりと調べて下さい。
- 絶対に嘘はつかない
面接と言うより社会人としての基本です。どんな小さい物でも絶対に嘘はやめましょう。嘘をつく人間は社会的に信用されません。履歴書や経歴書や面接時に嘘をつくと確実に採用されません。
どんな小さな嘘でも、嘘をついた時点で「この人は嘘をつく人だ」というレッテルが貼られます。この時点で不採用確定です。これは自分の会社の業務を嘘をつく人間には任せられないからです。なにか問題が起きた時に、この人の行動の選択肢の中には「嘘をつく」という選択肢が存在すると判った時点で信用できません。
たった一人嘘をつく人間がいるだけで、会社という組織全体が迷惑を受けます。下手すれば嘘が原因で会社が倒産に追い込まれます。「たかが嘘でそんな訳ないじゃん」と思った人は気をつけて下さい。どんなにシステム化が進もうと、仕事というのは人と人との繋がりで成り立っています。信用が根幹にあるから仕事が成り立っているのです。嘘は信用を壊します。
ですので、どんなに技術力があってどんなに素晴らしい実績を持っている人間でも、嘘をつく人は組織として受け入れる事はできません。絶対に嘘をつくのはやめましょう。
- 「わからない」事は「わからない」と言う
前項にも関係しますが、面接では自分を良く見せようと見栄を張りがちです。ですが、見栄というのは限りなく「嘘」に近いです。出来もしないことを出来るように言ったり、経験したこともない事を経験した様に言うのは、はっきり言ってしまうと「嘘」です。嘘をつくぐらいであれば、自分に不利になる事だとしても「わかりません」とはっきり言いましょう。
もし、面接時に嘘をついて採用されたとしても、嘘がばれれば試用期間中に解雇されます。これはあなたの職歴の中では隠す事のできない「汚点」として残ります。中途半端な嘘をつくぐらいであれば「わかりません」「できません」とはっきり言えるようになりましょう。
- ネガティブな事は言わない
いくら嘘をついてはいけないとは言え、全てを正直にさらけ出す必要はありません。隠しておきたいネガティブな部分は自分から言わないようにしましょう。但し、企業側が直接質問してきたら別です。例えネガティブな事でも、質問された事には真摯に答えて下さい。ネガティブな事を言う際は、そのネガティブさをどう克服したか等、現在はネガティブなままでは無い事もアピールするようにしましょう。
- 基本的に笑顔で
社会人の基本は笑顔です。と言っても露骨に笑えと言ってるのではありません。印象を良くする為に常に微笑み程度の軽い笑顔を心がけましょう。鏡の前に立って歯を見せずに笑顔を作る練習をしといて下さい。コツは口を閉じた状態で口角(口の端)に軽く力を入れて見て下さい。口角が上がって自然に笑顔になると思います。あまり力を入れすぎるのは良くありませんので、鏡で自身の顔を見ながら自然に見える力加減を覚えて下さい。この笑顔をアルカイックスマイルと言います。簡単そうですが、意外と意識してやらないと自然に見えないので練習したほうがいいです。
面接に限らず社会人として対外的な人と会う時には必ず役に立ちますので、出来るようになっておきましょう。
転職の面接時によく聞かれる質問
- 自己紹介をお願いします。
他の質問での受け答えは簡潔な物が求められますが、自己紹介に関しては一番多く時間を裂けます。それでも1〜3分程度で纏めて答えなければならないのですが、この自己紹介の時に自分のことを紹介しましょう。どの面接でもほぼ聞かれる質問ですので練りに練ってください。
ここでの問題は自己紹介の仕方です。後に来るであろう定番の質問内容に関しては全部この自己紹介で答えてしまうようにしましょう。長所や短所、今までの働き方等々、面接マニュアルに載っていそうな質問です。そういう定番質問に関しての答えは自己紹介で纏めて簡潔に述べて下さい。それだけで面接は遥かに楽になります。
自己紹介の後にその様な定番質問が来たら「先程自己紹介で申し上げましたが、〇〇は〜〜です。」と簡潔に答えた後に「ですので、△△を更に□□にする為に〜〜」とプラスアルファの答えを付け加えられます。このプラスアルファの部分で自己アピールをする様にします。つまり、最初の自己紹介でほとんどの質問の答えを用意しておくと、そういう定番質問が来たら自己アピールタイムです。
面接において敵は企業の面接官じゃありません。敵は他の求職者です。他の求職者と差をつける為にはいかに自分をアピールするかにかかっています。「お、この人は他の人とは違うな」と思わせなければダメです。定番の質問に杓子定規な返答をしていても他の求職者との評価に差はつきませんので、いかに自分をアピールできるかというのに拘りましょう。
また合理的な会社だと、自己紹介で後の質問に全部答えてしまうと定番質問をスルーしたりします。そうすると質問が無くなってしまうので、後に説明する職務経歴書での質問が増えます。こちらが狙いです。「先程自己紹介で申しましたが・・・」というのを何回も繰り返しているとクドいので、面接官は既に答えた事に関しては質問しづらいです。そうなると突っ込みやすい職務経歴書での質問が必然的に増えます。これが転職面接での一番のポイントです。
- 職務経歴の説明をお願いします。
転職面接で企業が知りたいメインの内容はあなたの職務経歴についてです。ここを知りたがっているのですから、ここで大いに質問してもらって下さい。ここで7割決まります。
職務経歴書を書く際に、かならず疑問が残る書き方をして下さい。職務経歴書に気合を入れて詳しく書く人が居ますが、絶対にダメです。職務経歴書には触りの部分を書いて、詳しく知りたい人は絶対に質問する様に書いて下さい。そしてその質問に対する答えを事前に頭の中に用意しておいて下さい。
要するに、疑問を持たせて敢えて質問させる様に誘導します。面接に限らず、プレゼンテーション等でも同じです。疑問を持たせてその疑問を解決する答えを聞かせることで人間は安心します。そういう状況を作り出すように職務経歴書を書いて下さい。そして自分の職務経歴書を何度も読み直して、来るであろう質問に全部答えを用意しておいて下さい。
ここで役に立ってくるのが、事前に行っておいた相手の会社の研究です。どの様な人材を欲しがっているのかを最初から見抜いていれば、自然とあなたの職務経歴書のどの項目に食いついてくるのかが判るはずです。その項目について重点的に質問の答えを用意しておくのです。その質問をしやすいような「触りの部分」を職務経歴書には散りばめて書いておくのです。
面接は心理戦です。会社側は何十人も求職者を相手にしています。同じ様なパターンで面接をやろうとしていますので、相手のペースを崩すとこちらの策略に簡単にはまります。そういう流れを事前に仕込んで職務経歴書を書くように心がけて下さい。
- なぜ今の会社を辞めたのですか?
こちらも必ず来る質問です。一番答えにくい質問だと思います。ですので会社を辞める前にこの質問に対する準備をして下さい。
どの様な理由で会社を辞めるにしても、聞いた人が納得できる理由でなければなりません。ですので、納得させるための努力を在職中にしておきましょう。以下の記事で詳しく書いてますので目を通しておいて下さい。
IT業界で転職を考え始めたらやっておくべき5つのこと
- 何か質問はありますか?
よくここで相手の会社のビジョンを聞いたりするのが推奨されていますが、そういうのは会社のHPに書かれていると思います。基本的に会社のHPに書かれている内容を聞いたりするのはダメです。もっと現実的な質問をしていいと思います。入社することを前提とした質問をしてみましょう。
例えば
「御社に来るまでに1時間半ほど通勤時間がかかるので、入社したら引っ越したいと思っているのですが、どこら辺に住むのがお勧めでしょうか」
こういう質問です。会社に聞きたい事というよりも、同じ会社の社員として知ってたら教えて欲しい、ぐらいのどちらかと言えばフランクな質問です。「こちらは入社する気マンマンですよ」というアピールを兼ねています。会社に聞きたい事というよりも、内定貰えれば入社しますよ、というアピールです。
私の場合は一番突っ込んだのでこういう質問をした事があります。ちなみにスカウトされた時の面接です。
「御社から提示していただいた年俸額にはとても満足しているのですが、16分割でボーナス時2ヶ月だと毎月のローンの支払に支障がでそうなので12分割でボーナス時は無しにする事は可能ですか?」
面接時になんてこと質問してるんだ、という感じですが、「それは無理」という回答を頂いた上で、役職に就いて頂ければ毎月手当を出せるので役職に付けますという上乗せ条件も頂いて、その上で内定も貰いました。それでもローンの支払に支障がでるので残念ながら辞退しましたが。
転職の面接というのは企業があなたを値踏みする場でもありますが、あなたが企業を値踏みする場でもあります。「雇ってもらう」という卑屈な考えでなく「条件が合えば働いてやる」ぐらいの気持ちを持った上でそれを押さえて接するぐらいが丁度いいです。面接の時点では対等の立場だと言うことを忘れないで下さい。
まとめ
面接はあなたを売り込むために企業が用意した機会です。絶対に質問に対して杓子定規な回答はしないで下さい。そしてどんな質問をされても自分のアピールに繋げて最大限に自分を売り込んで下さい。これが転職面接のコツです。とにかく自分を売り込む事に尽きます。その為に事前に会社を研究して面接で来るであろう質問に対する回答を自身の言葉で練り上げて下さい。企業側も、たかが数十分間程度の時間で相手の事を見抜くのはとても難しいので、面接では少しオーバーぐらいにアピールしておいて丁度いいぐらいです。相手の記憶にあなたの存在を残しましょう。